スイス時計とドイツ時計の違いを徹底解説!VOL.2【グラスヒュッテ・オリジナル】

皆様こんばんは。
前回に引き続き、グラスヒュッテ・オリジナルを例に挙げて「スイス時計とドイツ時計の違い」について解説していきたいと思います。
『スイス時計とドイツ時計の違いを徹底解説!VOL.1』はこちら。

文字盤

VOL.1ではムーブメントの話ばかりでしたので、今回はまず文字盤について見ていきます。

グラスヒュッテ・オリジナルは、2012年に文字盤専業メーカーのT.H.ミュラーを傘下に収めています。
そのため素材から仕上げまで、全工程を自社で完結することができます。

文字盤が最終的にどのような色味になるか・どのような特性があるかによって適切な素材が選ばれていきます。
ジャーマンシルバーブロンズ真鍮。ものによってはスターリングシルバーソリッドゴールドの文字盤もあります。
そして文字盤の仕上げには、銀の微粉末と塩、水を混ぜたペースト状のものをブラシで丁寧に塗り込んで、表面を磨き上げます。
これは数少ない技術者によってのみ行われる技法です。

また、パノラマデイトのディスクも自社製造されているため、文字盤と色味をぴったりそろえることができたり、意図的に逆の色にしてコントラストを効かせることも出来ます。

青焼き針・青焼きネジ

深みのある美しいブルーが特徴で、普通のメッキよりも劣化に強いため元々は針やネジの酸化、劣化を防ぐための加工でした。
もちろん見た目が大変綺麗なので装飾的な意味合いもあります。

…そしてやはり簡単ではありません。
温度が高くなるにつれて金属表面の酸化層が厚くなり、それによって表面の色が決まってきます。
微妙な温度の差でも大きく色が変化してしまうため非常に神経を使う作業です。

ゴールドシャトン

ルビーを固定するための金枠の部品です。
名前の通り、素材は18Kゴールド。
しかし、現代の機械式時計において必要不可欠!という訳ではありません。
なぜなら製造に手間がかかり高コストになるので、ほとんどの高級時計には採用されていませんから。

元々はルビーを安定させて精度と耐久性を向上させるためであったりとか、ルビーを交換しやすくするため、そして芸術性を高めるためでした。
これは18世紀から続くグラスヒュッテの地に根付く伝統技法の一種となります。

エングレービング

ダブルスワンネックの下にある受けの部分に勾玉のような模様が見えます。
この模様はグラスヒュッテで栽培もしている「洋菊」がモチーフとなっており、完全に手作業で彫っています。
工業的なレーザー彫刻ではなく、職人がひとつひとつフリーハンドで彫るため、同じモデルでも表情は異なります。

そしてエングレーバーはなんと5人のみ
彫って終わりではなく、彫った後さらにガルバニック処理による金メッキ、ロジウムコーティングが施されます。
彫刻だけでなくメッキやコーティングの作業も手作業なので、大量生産ができるものではありませんね。

私には作れません…(笑)

今回はさらに細かいところに注目してみましたがいかがでしたでしょうか?
表から見える部分はもちろんですが、オーナー様しか眺めることのできない部分・もはや分解しなければ見えないような部分まで丁寧に作られています。
「そこまでしなくてもいいんじゃない!?」と思わず言ってしまいそうなほど徹底的かつ真面目です。
改めて、ドイツ時計の伝統を大切にしていること、良い意味で価格に見合っていない(価格以上の)ことをしていると個人的に感じました。
ぜひ店頭にてご覧くださいませ。
投稿者:mi