腕時計の豆知識~小さな疑問にお答えします~

皆様こんにちは。中原です。
いつもoomiya京都店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

本日はいつもと少し違う角度から時計の魅力をお伝えできればと考えております。
普段私たちが何気なく使っている腕時計ですが、当たり前になりすぎていて何も気にならない方も多いと思います。
しかし、今現在の形状になったのには必ず理由があります。
そこで私が普段接客させていただいている中で、お客様からの質問や疑問などいくつかございましたのでお答えさせていただきます。

なぜ時計の頂点は12なの?

時計の文字盤の頂点の部分には必ず12という数字が来ます。
なぜ0でもなく10でも15でもなく、「12」なのか。
まず時間の測定については、古代より天体観測との関連の中で進化してきました。
古代の人たちは月の満ち欠けが約30日のサイクルで繰り返され、それが12回続くと再び同じ季節になることを経験の中から見出していました。
時間に12進法や60進法を取り入れたのは紀元前15世紀ごろに西アジアに暮らしていた古代バビロニア人だと言われています。
この人種は太陽が地平線から顔を出し始めてから、完全に姿を現すまでの時間(約2分)を基本単位に設定しました。
その720回分で一昼夜が経過する事に気づきました。
それから当時の数学や天文学などを駆使して、年と日は12進法で時間と分は60進法で区切るようにしました。
そのことから1年を60秒×60分×24時間×365日(3153万6000秒)と設定しました。
12や60という数字は1234の公倍数でもあり、様々な場面に応用できて使い勝手が良かったことが「12」を使う理由の一つと考えられています。
因みに、「0」という概念は8世紀のインドで発見されたものだそうです。
時計の発明は紀元前30~40世紀ごろと言われており、その時には水時計や日時計もありましたが文字盤の頂点数字は「12」だったそうです。
つまり時計の文字盤よりも「0」の発見の方が遅かったことも理由の一つと言えるでしょう。

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腕時計はいつからあるの?

腕時計が出現したのは19世紀のことといわれております。
それまでは懐中時計が携帯する時計の代表格となっていました。
しかし懐中時計よりもムーブメントやケースなど全体的に小型化されて、腕に着けることができる画期的な腕時計が登場し主流となっていきました。
その後約1世紀をかけて社会の改革や技術の革新などによって様々な形が生み出されました。
皆様が今日お使いの腕時計も、様々な進化や過程を経て形を変えてきた1本なのだと思います。
そして腕時計は、もしかすればまだまだ進化の途中なのかもしれません。
そう考えるとロマンを感じずにはいられません(笑)

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高級時計=スイスはどうして?

皆様の中にも、高級時計と言ったらスイスというイメージが強い方も多いと思います。
私もそういったイメージを強く持っていた一人です。
何故アメリカやイギリスでもなく「スイス」なのか。これにもやはり理由があったので記載させていただきます。
スイスがあるヨーロッパは陸続きで距離が近く、学問や技術などは容易に国境を超えて伝わります。
時計の製造が始まったのはスイスではなく、16世紀末からイギリスやフランスで始まったそうです。
そんな中でスイスにも技術や製造方法などが伝わり、時計製造が始まったそうです。
スイスが時計の生産を加速させるきっかけとなったのは16世紀にヨーロッパ全土で巻き起こった宗教改革です。
一時は収まった宗教紛争ですが、17世紀に入るとフランス国内では再び宗教的緊張が高まります。
カルヴァン派と呼ばれる思想の方たちは亡命を余儀なくされ、フランスを離れスイスへと移住することになります。
その中には時計職人も数多く存在し、スイスのジュネーブやル・ブラッシュなど各地へ散り散りになり時計作りに力を貸したそうです。
国も時計作りという新たな産業への支援は惜しまずに行い、時計産業は大きな発展を遂げたそうです。
スイスの時計産業は水平構造と呼ばれる分業制が主流です。パーツやケース、ムーブメントなどそれぞれのメーカーで製作し最後に組み合わせるという形です。
この分業制だったことも国家全体の産業の発展の理由の一つだといえるのではないかと考えております。

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まとめ

ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
難しい言葉が多く、私自身も何を書いているのかわからなくなりそうでした(笑)
読みづらい文章だったこと、大変恐縮です。
まだまだ書きたいことは山ほどありますが、非常に長くなりそうでしたのでまた今度の機会にいたします。
なにか分からないことや、疑問点などがあればお気軽にoomiya京都店までお問い合わせください!
腕時計には、数多くの魅力があり試着する事でより一層その魅力を感じていただけると思います。
皆様のご来店をスタッフ一同お待ち申し上げております。

投稿者:中原