【ブランパン】フィフティファゾムスのムーブメントをご紹介

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ダイバーズウォッチの名作、フィフティファゾムス。
2007年に発表された専用ムーブメント「キャリバー1315(Cal. 1315)」は、自社製の自動巻きムーブメントとしてフィフティファゾムスの技術的な核を担っており、一言で言うと「高精度・高耐磁・長時間駆動」
ラグジュアリーなダイバーズウォッチだからこそ、これだけのスペースをあわせ持つ点が特徴です。
そんなムーブメントキャリバー1315をご紹介させていただきます。

ムーブメントに使われている技術

前述させていただきました通り、キャリバー1315は「高精度・高耐磁・長時間駆動」なムーブメントですが、それらを実現している技術をそれぞれ見ていきましょう。

  • シリコンヒゲゼンマイ
    まずは、シリコン製のヒゲゼンマイが採用されている事についてです。
    シリコン製ヒゲゼンマイは従来のヒゲゼンマイで課題とされていた磁気耐性・温度変化耐性・経年変化の抑制という点で優れています。
    従来の 金属製ヒゲゼンマイだど、どうしても磁石の力を帯びてしまったり、急激な温度変化で変形してしまいましたが、シリコン合金になる事で、よりプロ仕様(潜水・磁気・温度変動など多重ストレスが想定される)で信頼性を高める事ができます。
  • フリースプラング
    フリースプラングは、緩急針を持たず、テンワに付いたマススクリュー等で慣性を変えて精度を調整する方式の事です。
    従来の緩急針だと衝撃によって位置がズレてしまい精度が変化してしまう事がありましたが、フリースプラングを採用している事で、より影響を受けにくくなっています。
    プロ仕様のフィフティファゾムスには最適な技術ですね。
  • トリプルバレル
    3つの香箱を直列接続することで、エネルギー供給を長時間にわたり安定化させ、5日間(120時間)ものパワーリザーブを実現しています。 
    この長駆動力は、日常装着から長期未使用状態への備えまで考えた現代機の実用性を示しており、ダイバーズウォッチとしての連続稼働性・信頼性にも寄与しています。

これら3技術が揃っている点で、Cal. 1315はただ長持ちというだけでなく、「精度・耐環境・装着性」という複合的な性能を備えたムーブメントとに仕上がっています。

小径になったことの凄さ

続いて注目すべきは、「従来45 mmだったフィフティファゾムスに対して、新たに42 mm台(42.3 mm)ケースのモデルが用意されている点」です。 
45mmモデルでムーブメントが既に完成されているにも関わらず、ながら「機能を削らず・性能を損なわず」そのまま42mmモデルに載せ替えたという事です。
機械式時計においてムーブメントの大きさを変えずに時計を小さくするのは非常に難しいとされているので、そんなチャレンジを果たしたことが“凄さ”といえます。
「ムーブメントをそのままに、ケースサイズをより使いやすい方向へ引き寄せた」という設計判断が、単なるサイズバリエーション以上の意味を持っていると私は思います。

終わりに

フィフティファゾムスに搭載される自社ムーブメント「Cal. 1315」は、シリコンヒゲゼンマイ、フリースプラング、トリプルバレルという3つの先進仕様を備え、「5日間駆動/高耐磁・高精度」仕様を実現しています。

そのムーブメントを、従来45 mmケースから42.3 mmという小径ケースに収めたモデルは、ただサイズを縮めただけでなく、性能を犠牲にせず「装着性・実用性」も高めた進化です。
ムーブメント寸法とケース寸法のバランスや防水性能、素材技術の採用をクリアしたことで、スポーツウォッチとしてもラグジュアリーウォッチとしても価値を再提示しています。

皆様が腕時計を選ぶ際、「ケース径/装着感」と「ムーブメント性能」のどちらをより重視されますか?
今回のフィフティファゾムスのようにサイズを小さくしつつ性能を維持するモデルは、どれくらい魅力的に感じられるでしょうか?
当店では実機を比較していただけますので、ぜひ一度お試しください。

投稿者K

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