【ジラール・ぺルゴ】完全マニュファクチュールムーブメント。歴史的ストーリーを遡る。「第2弾」

皆様こんにちは。
いつもoomiya京都店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

9月ももうおしまいですね。
今年もあと3ヶ月となってしまいました。
私の誕生日が11月なのですが、それにちゃくちゃくと近づいているのが嬉しいような嬉しくないような気がします。

さて、本日は前回に続いて【ジラール・ぺルゴ】の時計ではなく、第2弾「ムーブメント」についてお話いたします。
ぜひ最後までお付き合いください。
第1弾「ロレアートの歴史」についてはこちらの記事をご覧ください。

クォーツムーブメント

ロレアートの初代モデルはクォーツムーブメントでした。
第1弾でもお話した通り、どこのブランドも機械式で誕生していたところ、ジラール・ぺルゴだけが電池式での誕生でした。

なぜ電池だったのか。

1975年に初代ロレアートが発表。
その6年前、1969年に日本のセイコーが電池式時計を作り、発売したことから時計業界を大革命を起こしました。
これがクォーツショックと言われているひとつの事件ですね。
1970年から1980年代は機械式時計よりも電池式時計の方が需要があり、そんな中ジラール・ぺルゴは1971年に1日あたりの誤差が約0.164秒以内の超高精度を謳うキャリバー350を発表しました。このキャリバーには、32,768Hzの周波数を持つクォーツ発振器が搭載されており、世界基準ともなりました。そんなジラール・ぺルゴにとって特別なムーブメントを採用して初のロレアート発売を成功させました。しかし、1984年に第2世代のロレアートもクォーツムーブメントで発売しましたが、1980年代から機械式時計の人気が復活し、電池式時計の需要は一気に落ち着き、第2世代の売れ行きはあまり良くなかったそうです…。(苦笑)

自社製キャリバー

ジラール・ぺルゴは1994年に自社製キャリバーGP3000とGP3100の薄型自動巻きキャリバーが完成させました。1995年に登場したロレアートにはGP3100を搭載し、ここから機械式時計となります。自社製キャリバーGP3100は当時、カルティエやブルガリ、ブシュロンなどにもムーブメントを提供していました。GP3000でムーブメント直径が約23ミリ、GP3100で約27ミリと小さく薄いムーブメントでした。
それから2016年に限定で登場したモデルには自社製キャリバーGP1800を搭載し新たなスタートを切りました。現在のレギュラーモデルのロレアート42MMにも自社製キャリバーGP1800が搭載されています。
自社製キャリバーGP1800はムーブメントが約30ミリ、厚さが3.97ミリ、サイズは大きくなりましたが、厚みは薄いまま。
大きな違いやムーブメント変更に至った不良や特別な理由があったわけではなく、大きいケースには大きいムーブメント、小さいケースには小さいムーブメントというようにデザインに合わせて変更となったそうです。

クロノグラフ搭載モデル

クロノグラフ搭載モデルには自社製キャリバーGP3300が搭載されています。
1994年に登場したGP3100が進化したのが、今のGP3300です。

ムーブメント直径が25.6ミリ、厚さが6.5ミリと小振りなためケースの厚みも約12ミリとクロノグラフ機能を搭載している割には薄いと言えます。
クロノグラフのモデルは裏蓋が閉じてしまっているため、直接見ることはできません。見えないとしてムーブメントの仕上げは3針のロレアート同様丁寧に行われています。

小話編

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こちらの写真はロレアート42MMのムーブメントです。
ムーブメントの裏側はよく見ると思いますが、ダイヤル側は見たことがありますでしょうか。
ダイヤルを外すとこのようになっています。
私も初めて知り、ジラール・ぺルゴのこだわりの強さを改めて実感したのですが、ダイヤルにもペルラージュ仕上げがしっかりと施されています。
そんなペルラージュ仕上げは実は見た目の美しさだけでなく、腐食を防いだりと実用的な意味もあるんです。
昔は時計の内部に入ってしまったゴミを取るためとしてペルラージュ仕上げが施されていましたが、今の技術では内部にゴミが入ることがなく、ほとんどが見た目の美しさだけで施されていることが多いです。

ローターの裏側はこのようになっています。
ローターで重さが重要と聞いたことがある方が多いかと思いますが、それに付け加えるとすれば、一番外側の部分の重さが重要になります。外側が重いことによって遠心力が生じるので、均一に重たいものに比べるとローターがよく回る、回らないという違いになってきます。

小話編が「面白い!」と言っていただけるのを目指してます。(笑)
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次はケース・ブレスレットの作りについて「第3弾」です!お楽しみに!

投稿者:青木