【実機レビュー】1年使って分かったバチスカーフ チタンブレスレットのコストパフォーマンスの高さとは?
皆様こんにちは。
いつもoomiya京都店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
本日はブランパンの『フィフティ ファゾムス バチスカーフ』の実機を使ってみた感想を正直に細かくお伝えしてみようと思います!

バチスカーフコレクションの中でも今回はチタン素材のモデルです。ケースだけではなくブレスレットもチタンで作られていますので、見た目は重厚感がありますが、もっていただくと非常に軽いです。
まず簡単にこのモデルの特徴をお伝えさせていただきます。
フィフティファゾムス バチスカーフ

フィフティファゾムス バチスカーフ
品番:5000-1210-98S
ムーブメント:自動巻き(キャリバー 1315)
素材:チタン/セラミック
ベルト:チタン
サイズ:43mm
防水:30気圧防水
価格:¥2,266,000-(税込)
◇シンプルながら力強いデザイン
ケース径は 43mm、厚さは 13.4mm と存在感のあるサイズ感。それでいて、サテン仕上げの グレード23チタンケース が軽量で、快適な着用感を実現しています。
◇美しいグレーサンバーストダイヤル
落ち着いた雰囲気のグレー文字盤には、光の角度で異なる表情を見せるサンバースト仕上げが施されています。さらに、夜光塗料が塗布された針とインデックスにより、暗所でも視認性は抜群です。
◇500m防水の本格派ダイバーズ
「バチスカーフ」モデルは、日常使いしやすいデザインながらも、500m防水 の高い防水性能を誇ります。プロのダイバーにも耐えうるスペックを備え、機能美を追求した一本です。
◇ブランパン自社製ムーブメント搭載
キャリバー 1315 を搭載し、約 120時間(5日間) のロングパワーリザーブを実現。高精度で安定した動作を保証するシリコン製ヒゲゼンマイを採用し、耐磁性能にも優れています。
◇超軽量で快適なチタンブレスレット
グレード23の高純度チタンを使用したブレスレットは、ステンレススティールの約40%の軽さを誇ります。そのため、43mmケースのしっかりとしたサイズ感ながらも、長時間の装着でも負担が少なく快適に着用できます。
ステンレス VS チタン
実際のところの軽さはどうなのか?と気になられてる方も多いかと思いますので、計量器で図ってみました。


こちらはスタッフが使用していますので、ブランパンは2コマ外した状態、グランドセイコーは3コマ外した状態です。
ケースサイズ43mmでこの軽さは驚きですね。
グランドセイコーの『SLGH005』白樺モデルと比べてみるとその差は歴然。ステンレス製のモデルがいかに重量感があるかが良く分かります。
SLGH005に使われているステンレススチール(SUS316Lなど)は、密度が約7.98 g/cm³ です。
これはバチスカーフに採用されているグレード23チタン(約4.43 g/cm³)と比較すると 約1.8倍の密度 なので、同じサイズならステンレスの方が明らかに重くなります。
仕事中に使用していますが、着けていて疲れるなと感じたことは一度もありません。多少大きさがある分、シャツの袖口に収まってはくれませんが、そこは気にせずいきましょう。(笑)
ブレスレットの質感もやわらかく柔軟性に長けているのを感じます。
グレード23という数字が出てきましたが、ステンレス同様にチタンにも強度や耐久性を表すグレードがあります。中でもグレード2やグレード5などが時計製造に適していると言われています。
ではそのグレードで何が違うのか見ていきましょう。
特性 | グレード2 | グレード5 | グレード23 |
---|
強度 | 普通(ステンレスより弱い) | 高い(約3~4倍の強度) | やや低い(グレード5より若干柔らかい) |
重量 | 軽い | 軽い(グレード2とほぼ同じ) | 最も軽い |
耐食性(錆びにくさ) | 非常に高い(純チタンの特性) | 高い(アルミ・バナジウム合金のため純チタンより若干劣る) | 最高レベル(医療用) |
耐摩耗性(傷の付きにくさ) | 低い(傷がつきやすい) | 高い(ステンレスに匹敵) | やや低い(グレード5より傷がつきやすい) |
肌への優しさ | 低刺激・アレルギー対応 | 低刺激だが金属アレルギーの可能性あり | 最高レベル(医療用) |
加工性 | 難しい(純チタンは硬い) | 硬くて加工が難しい | 加工しやすく精密な仕上げが可能 |
見た目・仕上げ | ややグレーがかったマットな質感 | ポリッシュ・サテン仕上げが可能 | より高級感のある仕上げが可能 |
表から見て分かる通り、グレードが高ければ固いというわけではありませんね。
一般的に、グレード5が採用されるモデルは耐衝性に優れており、傷に強いというイメージがあるかと思いますが、その反面、加工が難しくコストがかかってしまうのが現実です。昨今は取り入れているブランドも多くなってきましたが、まだまだ低コストで作るのは難しいかもしれません。
バチスカーフに採用されているグレード23チタンは、グレード5の硬さやタフさよりも、着け心地に影響する仕上げの柔らかさ、軽さを優先されたのではないかと考えています。



高級感を出そうと思えば、ポリッシュ(鏡面仕上げ)の面を増やせばキラキラとした輝きを出せますが、見ていただくとバチスカーフはほぼすべての面がサテン仕上げ(艶消し)が施されています。
そうすることで、武骨になりすぎるのではないかと思いますが、素材が柔らかい分、仕上げの質が高くなり艶消し独特のマット感がなくポリッシュを思わせるような輝きを放ちます。
ポリッシュではよく目立つ傷もサテン仕上げにすることで、分かりにくくなるのも個人的にはオススメポイントです。
文字盤の色はツヤ有り?ツヤ無し?
ネット上で見るとこのバチスカーフはマット感が強くベゼルと同系色に見えますが、実際は結構違うんです。
時計は実物を見ないと分からないとよく言いますよね。まさにその通りかと思いました。
光を当ててみるとより文字盤とベゼルの色味が分かれて見えます。43mmというダイナミックなケースもベゼルで色味を抑えることでスマートにつけこなすことができそうです。
ここでひとつ注目したいのがベゼルの目盛りです。
少しギラついているように見えませんか?そうなんです、ただデザインされているのではなくブランパン特有の技術が採用されているんです。
ベゼルに施された特殊技術
ブランパンの一部の時計には、「リキッドメタル(Liquidmetal™)」という特別な素材がベゼルのインサートに使用されています。この技術は、スウォッチグループ傘下のブランド(オメガやブランパン)で採用されており、高い耐久性と美しい仕上がりを実現するのが特徴です。
ベゼルを傷つけずに長く使っていくのは至難の業ですが、バチスカーフのようにセラミック製のベゼルにリキッドメタルを採用したインサートになっていればほとんど心配いりませんね。
高い衝撃性はもちろんですが、経年劣化もほとんどみられません。夜光塗料が塗布されているわけではありませんので、発光はしませんが夜間でもある程度の視認性はとれています。リキッドメタル特有のギラつきが役立っていますね。


リューズの巻き心地

割と気になる方は多いのではないでしょうか。
言葉で伝えるのは非常に難しいので簡単にはなってしまいますが、バチスカーフのリューズはねじ込みタイプです。300m防水を備えていますので当然の機能ですね。
自分自身、ダイバーズウォッチ系のモデルは巻き心地が重いような印象をもっていましたが、ひとことでいうと巻いた感じかなり軽いです。軽さの具合はクオーツ時計のねじ込みではないタイプのリューズの空回りに近い感覚です。
ゼンマイを巻き上げている感覚は手の感覚と音で分かりますが、異様に軽いです。120時間のロングパワーリザーブを誇る為、リューズへの負担を軽減されたものなのでしょうか。
この感覚は店頭でしたお伝えが出来ないので、気になる方はぜひ店頭でお待ちしております!(笑)
ブレスレット以外のベルトならどうなる?
バチスカーフのコレクションはブレスレットタイプとセイルキャンパスというストラップを合わせた設定が主となっています。
今回ご紹介しているのはブレスレットタイプですが、同じモデルでセイルキャンパスが装着されているものもあります。
ブランパンのコレクションはほとんどのモデルがブレスレット、ストラップの設定がありますので、その範囲内でしたらご対応が可能です。
今回のモデルも例外なく、ブレスレットタイプで買っていただいていも後にセイルキャンパスストラップとバックルをセットでご購入いただければ店頭にて付け替えが可能です。その際の工賃はいただいておりませんのでご安心ください。



ベルトが違うと雰囲気が変わって毎日の時計選びが楽しくなりますね。
セイルキャンパスストラップは「セイル(Sail)」=帆、「キャンバス(Canvas)」=帆布という意味ですが、実際のヨットの帆の素材とは異なり、時計用に特別に開発された合成ファブリックが使用されています。
カラーはブルー、ブラック、グレー、グリーン、ホワイトの5色展開となっています。
今回のモデルで言えば、グレーが初期設定ですが、別でブルーやブラックをご購入いただければ付け替えてお使いいただけます。

いかがでしたでしょうか?
もう少しお伝えしたいこともありますが、今回はここまでにしてみます。(笑)
使ってみてどうかというよりかは細かいディティールの部分に特化した内容になってしまいましたので、次回はいろんな場面に合わせての感想をお伝えさせていただければと思います。
少しでも気になられた方はご来店いただければ嬉しいです。
喜んでご紹介させていただきます!
皆様のご来店心よりお待ちしております。