ダイアルに使われる【アベンチュリン】輝きの正体とは?

皆様こんにちは。
いつもoomiya京都店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

本日は時計ではなく、文字盤に使用されるアベンチュリンについてご紹介いたします。
なぜ私が今回アベンチュリンを紹介しようと思ったのかというと、今京都店にアベンチュリンの石があるからです!
その石を見て、触って感じたのが「時計の文字盤と全然違うくね?」って思ってしまいました。(笑)
恥ずかしながら今まで知っているようで、そこまで知っていなかったんだなと感じてしまったので改めてアベンチュリンを採用する時計の魅力についてお伝えしたいと思います。

「アベンチュリン」とは?

まず初めにアベンチュリンとは冒頭でもお伝えしている通り、主に石英の一種で内部に含まれる細かな鉱物が光を反射して、キラキラと輝く天然石です。「アベンチュリン」という名前はイタリア語の「a ventura (偶然に)」という意味を持ちます。
科学的根拠はありませんが、心を落ち着かせる、ストレスを和らげる、幸運や繁栄を引き寄せる、前向きな気持ちをサポートするといった意味を持つパワーストーンとしても使われています。

京都店にある、アベンチュリンの石はこちらです!↓↓↓

実際に見たことある方もいらっしゃると思いますが、時計のアベンチュリン文字盤でよく見る色と全然違うと思いませんか?
どの角度から見てもキラキラと輝くのは文字盤と同じですが、私が京都店で今まで見たことあるアベンチュリン文字盤はもっと濃い青色ばかりでした。現在在庫があるベル&ロスの「BR-05 36MM BLUE DIAMOND EAGLE」も星空のような色をしています。

文字盤を作る工程

アベンチュリンは天然石のため、原石のすべてが文字盤に使えるわけではありません。色合いや輝き、石の状態などをひとつひとつ確認し、文字盤として美しく仕上げられる部分を選び出します。
選び抜いた原石は、文字盤として使用できるよう非常に薄くスライスされます。1ミリ2ミリではなく、0.何ミリという位まで薄くします。しかし天然石をそこまで薄く、かつ均一に加工するのは非常に難しく、加工の途中で割れたり欠けたりする可能性もあるため高い技術力が必要です。さらに、スライスした石の表面を丁寧に研磨し、滑らかに仕上げていきます。
一般的な真鍮素材の文字盤と比べて、天然石は加工の途中で割れたり欠けたりすることがあるため非常に繊細な作業が求められます。
1枚の文字盤が完成するまでに大体これぐらいの時間と言えないほど、予想ができず、1回で完成するとも限らない、非常に手間がかかります。
また、ダイアルが完成してもまだ安心はできません。
時計のサイズに合わせて外周を整え、針を通すための穴なども精密に加工していきます。エナメル文字盤でも同じですが、この穴を開ける作業が最後の試練のようなものです。せっかくここまで作ってきたのに穴を開けた瞬間、パキッと割れてしまうなんてショックですよね…。
でもこの全ての工程をクリアしたものだけが完成品となるんです。

色が違う理由

私が感じた、原石と時計の完成品の色の違いはアベンチュリンの下にカラーの土台を使用しているからです。
アベンチュリンのキラキラと輝く光をダイアルとして使用しているので、薄くスライスしたアベンチュリンの色はほとんど残っていません。

ベル&ロスのBR-05 36MM BLUE DIAMOND EAGLEにもアベンチュリン文字盤が採用されています。
こちらも真鍮をベースにしたダイアルの上にアベンチュリンのプレートを重ねた二層構造となっており、加工では表現できない輝きをアベンチュリンで表現されています。
土台の色を活かしながら、アベンチュリンの天然の輝きを最大限に発揮しています。

人工アベンチュリン

ゼニスのクロノマスターオリジナルトリプルカレンダーアベンチュリンもアベンチュリン文字盤を採用しておりますが、これは天然ではなく作られたものですが、この輝きは表面にラメや粉を付けて作られているわけではありません。
実は、ガラスの中に生まれる微細な結晶が、この独特の輝きを生み出しています。

人工アベンチュリンは、ガラスの原料に銅などの金属成分を加え、それらを高温で溶かすことで金属成分がガラスの中に取り込まれます。まだこの段階では、私たちがイメージするようなキラキラとした輝きは見られません。
ここからが人工アベンチュリンの大きな特徴でもありますが、溶けたガラスを適切な条件で冷却していくと、ガラスの中に含まれていた金属成分の一部が、非常に細かな結晶として生まれてきます。この結晶がガラスの内部に無数に存在することで、光が当たったときに光を反射し、それによって深い色の中に細かな光が浮かんでいるような、アベンチュリン特有の輝きが生まれます。
つまり、キラキラとした輝きは後から表面に加えられたものではなく、ガラスそのものの中に作られたものなのです。一般的なラメをイメージすると、「表面にキラキラした粒が付いている」という印象があるかもしれませんが、アベンチュリンガラスはそれとは異なります。
その結晶の生まれ方によって表情も変わるため、結晶の大きさや量、分布によって見え方が変わることです。天然のアベンチュリンでも同じように輝きが細かく繊細に見えるものもあれば、光を強く反射してキラキラとした印象を持つものもあり、人工であっても同じものは作れません。

まとめ

今回は個人的に発見になったことをご紹介させていただきましたが、共感していただける方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アベンチュリン=綺麗と思っていたのが、原石を見てここからどう変わるのか、想像しただけで改めて魅力を感じませんか?
天然と人口でもそれぞれの良さがあり、同じ物を作り上げているのに工程が違う点もやはりものづくりの面白さですよね。

なにより「同じものが二つとして存在しない」というのが天然であっても人口であってもアベンチュリンを時計の文字盤に用いる最大の魅力だと思います。
これから時計を見る方は文字盤の光が当たったときの輝き、角度を変えることで変化する表情にも注目して見てみてください♪

投稿者:青木