
今回は、チューダーのクロノグラフの歴史や魅力を解説していこうと思います。ダイバーズウォッチの歴史が深いチューダーですが、実はクロノグラフの歴史も非常に面白いのでぜひご覧いただけたらと思います。

チューダーのクロノグラフはモータースポーツと密接な関係を持っています。ロレックスと同じ創業者であるハンス・ウィルスドルフは、強靭性、信頼性、精度の高品質な時計をチューダーにも採用し過酷な環境でも耐えれる信頼性のある時計を製造してきました。その中で1953年に1,000マイルを走破したバイクレーサーが着用という広告を展開しました。
機械式時計の弱点である振動、衝撃に対し過酷な環境でも丈夫で高性能な時計である事をアピールしました。

そして、1960後半から1970年代前半にかけて、チューダーは伝説的なマシンとドライバーのスポンサーとしてレースに参戦していきます。その中でも実は、日本のモータースポーツ界にも登場します!1968年にて富士1000kmレースにてチューダーはポルシェ906/120のスポンサーを務めます。その後鈴鹿1000kmにて2位に入賞するなど確かな実績を積んでいきました。
それでは、チューダーを代表する4世代のモデルをご紹介します。


1970年チューダー初のクロノグラフ、オイスターデイトを発表します。堅牢性と機能性を兼ね備えたその時計のユニークなデザインは、鮮やかな色使い、野球のホームベースのような形をした五角形のアワーマーカー、45分カウンター、6時位置の日付表示などを特徴とします。この革新的なデザインは瞬く間にコレクターを魅了し、野球のホームベースを彷彿するアワーマーカーの形から❝ホームベース❞と愛称が付けられます。
その翌年の1971年にクロノグラフ、セカンドシリーズとして今でも世界中のコレクターに人気のある❝モンテカルロ❞を発表します。カジノのルーレット盤を想起させるダイアルから、ファンにチューダー「モンテカルロ」と呼ばれています。塗装を施したアワーマーカーが特徴的なダイアルに宿る精神、ケースは前シリーズのデザインを受け継いでいます。
この鮮やかなブルーの配色が美しく、後に発表されるヘリテージクロノにも継承され人気がありました。


サードシリーズとして登場するのは、1976年にチューダー プリンス オイスターデイト「ビッグ・ブロック」です。チューダー初のクロノグラフの自動巻き機械式時計で、ケースの厚みが出たことによりファンからそのように愛称が付きました。写真(Ref.9430/0)は、❝エキゾチック❞と愛称が付いた文字盤のモデルです。プリンス オイスターデイトと名付けられたこの腕時計は、その特徴的なダイアルから「オートマティック クロノタイム」または「クロノタイム」という名でも知られています。
1995年、フォースシリーズとしてプリンス オイスターデイトを引き継ぎ、 自動巻クロノグラフのデザインが再解釈されました。クロノグラフの3世代にわたって受け継がれてきたケースは、広く知られる研ぎ澄まされた存在感をそのままに、より洗練された柔らかなラインを持つものとなりました。一目でそれとわかる印象的なシルエットを保ちながら、新たに丸みを帯びた柔らかな曲線を持ち3つの特徴的な変化がこの第4世代のデザインを一層際立たせています。
この後出てくるプリンス オイスター デイトは徐々にロレックスの部品は消えていき、チューダーのマニファクチュール化が進んでいきます。
そして、現在チューダーのクロノグラフは更なるステージに進み、2024年モーターレース界へのカムバックも成し遂げ、ジャンルを超え様々なプロスポーツ界へと躍進しています。❝ Born To Dare ❞の精神の元、挑戦的なスタイルを貫き通していきます。





