【ゼニス】アヴェンチュリンって結局どんな素材なの? ~クロノマスター オリジナル トリプルカレンダー アヴェンチュリン~
皆様こんにちは。
いつもoomiya京都店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回はタイトルにもあります通り、ゼニスの限定モデルに採用された〔アヴェンチュリン〕について紐解いてみようと思います。

アヴェンチュリンとは? ― 星屑のように輝くガラス素材
アヴェンチュリン(Aventurine)は、微細な金属結晶を含んだ装飾用ガラスの一種です。
光を受けることで内部の粒子が反射し、無数の星が瞬くような煌めきを生み出します。
アヴェンチュリンという名前は天然石にも存在しますが、時計文字盤で使われるアヴェンチュリンは多くの場合、ムラーノガラスを起源とする人工素材で、銅や金属酸化物の微粒子を溶融ガラスの中に閉じ込めて作られています。
時計業界では主に以下の特徴で評価されています↓↓
- 天然石のような深い奥行き
- 粒子の反射による立体的な輝き
- 文字盤ごとに異なる「一点モノ」の表情
つまり、同じ模様の文字盤は二つとして存在しません。


アヴェンチュリンの歴史 ― ヴェネツィアの偶然から生まれた芸術(17世紀)
アヴェンチュリンの起源は、17世紀のイタリア・ヴェネツィアのムラーノ島にあるとされています。
伝承によると、ガラス職人が偶然金属粉を溶融ガラスに落としたことから生まれたと言われています。
この「偶然(Avventura)」が語源となり、「アヴェンチュリン」と名付けられました。
その後、王侯貴族向けの装飾品や工芸品に使用され、“偶然が生んだ贅沢素材”として発展してきました。
王侯貴族の装飾素材として発展(18~19世紀)
18世紀以降、アヴェンチュリンは王侯貴族向けの高級装飾品として発展しました。
主に、宝石箱・置時計の装飾、香水瓶や工芸品など王族向けのジュエリーに採用されていました。中には宮廷調度品の装飾パネルにも使われ、最高級品として扱われていました。
当時は製造技術が極めて難しく、「富と権威の象徴」として扱われており、この時代、アヴェンチュリンはすでに“希少なラグジュアリー素材”という地位を確立していました。
時計業界への進出(20世紀~)
時計の文字盤素材として本格的に使われるようになったのは、20世紀後半に入ってからのことです。
それ以前は工芸品や装飾品の世界で発展してきた素材でしたが、ガラス加工技術の進化により、極薄にスライスし、精密に研磨することが可能になりました。これにより、繊細で割れやすいアヴェンチュリンを、時計という精密機器の文字盤として実用化できる環境が整っていきます。
同時に、高級時計の価値観も大きく変化していきました。
時計は単なる「時間を知るための道具」ではなく、「美意識や物語を身にまとう芸術品」として捉えられるようになり、各ブランドはムーブメントだけでなく、素材や表現によって個性を打ち出す時代へと突入します。その流れの中で、星屑のような輝きを宿すアベンチュリンは、機能性ではなく感性に訴える素材として注目を集め、詩的な世界観を演出できる特別な文字盤素材として確立されていきました。


現代においてアヴェンチュリンは、単なる装飾を超え、「宇宙」「星空」「夜空」といったロマンを象徴する存在となっています。
無数の金属結晶が生み出す奥行きのある煌めきは、まるで本物の夜空を閉じ込めたかのような表情を見せ、ムーンフェイズなどのロマンティックな機構や、詩的な世界観を持つブランドの表現と高い親和性を誇ります。時間を示すための背景ではなく、物語や感情を映し出す“キャンバス”としての役割を担う素材へと進化したのです。



ゼニスがアヴェンチュリン文字盤を採用する理由も、この象徴性と深く結びついています。
ZENITH(ゼニス)という名は「天頂」を意味し、創業以来、星や天空、天文学といったテーマと密接な関係を築いてきました。星屑のように輝くアヴェンチュリン文字盤は、まさにそのブランドアイデンティティを視覚化した存在であり、単なる装飾ではなく、「ゼニスという名前そのものを表現するデザイン」と言えるでしょう。
つまり、アヴェンチュリン文字盤は美しいだけの素材ではありません。
その背景には、偶然から生まれた歴史、技術革新による実用化、そして高級時計が“芸術”へと進化してきた物語が詰まっています。
「コードバン」を採用した上質なストラップ


ケースは39mmと落ち着いたサイズ感。細かいディティールはご存知の方も多いと思いますが、今作においてはストラップにも注目していただきたんです。
このゼニスのモデルに採用されているコードバンのレザーストラップは、時計全体の完成度をさりげなく引き上げる上質なディテールです。コードバンは「革のダイヤモンド」とも呼ばれ、馬の臀部のごく限られた層からしか採れない希少な素材。繊維が非常に緻密なため、表面は滑らかで、磨き込むほどにガラスのような深い艶をまとっていきます。
使い込むほどに質感は柔らかく馴染み、色味と光沢には奥行きが生まれ、革を“育てる”楽しみを味わえるのも魅力のひとつです。見た目の繊細さに反して耐久性も高く、日常使いに適した実用性を備えている点も評価されています。
さらに、その上品な光沢はケースや針のポリッシュ仕上げと美しく調和し、ゼニスの精密なムーブメントや洗練されたデザインと相まって、「細部まで妥協のない一本」という印象を強めています。ストラップにコードバンを採用していること自体が、このモデルの格の高さと特別感を静かに物語っていますね。

クロノマスター オリジナル トリプルカレンダー アヴェンチュリン
品番:03.3402.3610/53.C917
ムーブメント:自動巻き(エル・プリメロ 3610)
ケース素材:ステンレススティール
ベルト:コードバンレザーストラップ
防水:5気圧防水
ケースサイズ:38mm
特徴:日本限定160本
店頭にて実機をご覧いただけますので、皆様のご来店を心よりお待ちしております。


